飼ってる猫が逃げて、かえって来た時
- アルタム動物病院
- 7月25日
- 読了時間: 4分
更新日:10月3日
暑い日が続いてますね。早明浦ダムや銅山3ダムの水もひとまず安心域でホッとしましたが油断は禁物。上手に節水して乗り切ろうと思っています。
今回はタイトル通り、飼っている猫が家から逃げて、帰ってきたときor捕まえたときの対処方法について書いていきます。
飼育している猫が突然逃げてしまうことがあります。私から見れば、自宅という飼い主さんの愛情をしっかり受けられて、衣食住が100%保証されている天国から外という地獄に行きたがる猫は大馬鹿野郎と言いたくもなりますが、人間も麻薬という地獄を自ら選ぶ人間もいるわけで、猫と同レベルと言いましょうか・・・この辺りはしっかりと周りの人間が制止してあげないとです。
まずはそもそも、外に逃がすな!いきなり結論ですが、これにつきます。 猫の知能レベルは人間の2歳位と言われてます。2歳児の知能や動きを信用する人間の大人はいないと思います。
しかし、知能は2歳児、運動能力は人間以上です。 人間の2歳児は危機感なく、マンションの家の窓を勝手に開けて、ベランダから落ちるという事件もチョコチョコ聞きますが、猫の場合、落ちることもありますが、そのまま下界に逃走します。そして、もしも逃げたら人間以上の運動能力ですので、つかまりません。 捕まえられるときは基本よほど弱っているか、事故でけがしているのどちらかです。 飼い主の私の顔を見たら、猫は寄ってくるという幻想は基本捨てて下さい。家の外では基本おびえてパニックになっていますので。
ここかから本題ですが、なんとか猫を捕獲、帰ってきたときは次の5つをして下さい。
①飼い主は手袋・マスクをして猫を捕獲する・あつかう・世話をする。
②水・食事を与えてみる。
③同居猫がいる場合、絶対に顔を合わせない、隔離。
④猫のボディチェックする。触っていたがるなら中止 入浴は厳禁。
⑤上記の4つをしてから動物病院へ行く(できるだけ当日)
①の目的は後で記載
②はもちろん、逃走期間は飲まず食わずのことが多いですので、まずはおなかを満たしてもらう為ですが、それよりも帰宅後すぐに食べなければ、よほどの事故や体調不良になってる可能性が飛躍的に上がります。それを判断する目的です。アゴが折れていることもしばしばあります。
③の目的は同居の猫に伝染病や寄生虫をうつさない為です。帰宅後、すぐに隔離生活です。 逃走時何があったかは分かりません。よその猫と喧嘩や食事の共有をしたかもしれません。そのせいでエイズや白血病に罹患した可能性があります。 またノミダニをつけている可能性があります。 たとえノミダニがついていてもお風呂に入れないようにして下さい。風呂ごときでは落ちませんし、猫が暴れる可能性もあります。
隔離期間は1か月。ベストは1.5カ月です。帰宅した猫の為に専用の隔離部屋1つを作るか、ケージの中で閉じ込めて下さい。ここは特に守られて下さい。のちのち同居猫に地獄のおすそ分けをすることがあります。地獄だけに心を鬼にしてください。
ちなみに単独飼育であっても、出来れば1週間は飼い主さんとも極力隔離、猫と接するときやトイレ掃除時はマスク着用、手袋着用がよいです。 これはまれですが、猫が脱走し、外でSFTSという病気に罹患した場合、人間にうつることがあるからです。ちなみに猫は今のところ100%*の致死率です。これが①の目的です。ただ、正直なところ、めったにない病気を怖がり、その対策まで考えてやるというのはやりすぎ・難しいと思いますが・・・ ベストを記載つもりで。家にご年配の方や小さいお子様がいる場合はしっかりした方がよろしいと思います。SFTSは人間がかかった場合、2~3割で亡くなりますが、基本年配の方が亡くなってます。(*猫の致死率約70%です。治療法は変わらずありません。訂正します。9.30)
④外観チェックは怪我あるか、寄生虫がいるか、跛行(はこう:歩き方の異常)を見るのですが、特に歩かせて、跛行の有無を見て下さい。動物病院内では猫は歩いてくれないことが多く、跛行が分かりづらいことがあります。 但し、普通に歩けたとしても、骨盤骨折していたりすることもありますので、注意は必要です。 入浴はたとえ泥まみれでも絶対に避けて下さい。どこを怪我してるか分かりませんし、猫も帰ってきた初日は興奮していることが多く、思わぬ事故を招く可能性が高いからです。
⑤病院へ来ていただく理由はもちろん、病気・ケガ・寄生虫のチェックです。費用はさまざまです。 猫は強い動物です。 自力で帰ってきても、骨盤骨折してた、肋骨骨折してたということもよくありますし、罠にかかって足がミイラになってるケースや腸がべローンと飛び出て引きずってそれでも帰ってきた猫も経験しております。食事をとって、元気のように見えても来院していただく方がよいと思います。
以上になります。外は猫にとって地獄です。人間は失敗する動物です。たまたま逃げてしまうことは仕方ないですが、外に出せとニャーニャーなくから猫を外に出すという方、ずっと家の中はストレスだから外に出すという方は猫も地獄、飼い主自身も心身ともに地獄になることを覚えておいてください。
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