top of page

もう活動中のダニ。取り方

昨日の外来患者さん数は多くなかったのですが、ダニがついてるという主訴で来院された方が3件もいました。チワワ、ダックス、大型犬。


もともとダニは一年中いるのですが、活動が激しいのは5~11月です。しかし、ちょっと暖かい日があったりすると、冬の間空腹だったダニが一気に空腹を満たそうとするのか、活動的になるようです。


この3頭も別にガシガシ草むらに入って山に入って、超ワイルドライフしたわけじゃあないんです。つまり身近にいるんです。ちょっとした落ち葉の裏にすらいます。


しっかりノミダニ駆除剤をしてあげてください。市販のものは香川のようなダニ超多発地帯では無効と考えて下さい。しかもこちらの地方は伝染病入りのダニです。噛まれたら負けと言っても過言ではありません。血だけ吸うんだったらそうこわくはありません。病気持ってるから怖いんです。しかもやつらは小さい奴だと本当に1㎜切るやつもいます。肉眼でギリギリ見えるレベル。顕微鏡でようやく足が見えてダニと判定したケースもあります。

ダニが付着した場合、お酢がいいとネットで見たので、掛けたけど取れなかったと昨日の患者さんのうち2件が仰ってました。


ダニが付着した場合の取り方ですが、まじめな方ほど深く考えすぎて、かえってわけのわからないことになってます。 もっとシンプルに!です。 ネットかテレビの影響のせいか、取るには要注意、下手にやるな!ってなってます。 ダニは動物の皮膚にキバ(口器)をぶっ刺した挙句、周囲をセメントでくっつけるので、簡単に落ちません。ダニ自身も好き勝手にすぐに離したりできません。だから酢をかけられてもダニ自身も『ぐぁああ!酢だぁ、くせぇえええ、逃げろ~』ってできません。ただ酢だこならぬ酢ダニになるだけです。いや下手したら、ダニ自身の体表の油ではじかれてなんにもなっていないかも。


ダメなポイントは2つのみ。 

ダニの腹を押さない。押すと吸った血や唾液を犬に逆流させたり、破裂してそれが人間に飛び散って病気になるかもしれない。

②ダニの口器(触肢+口下片)が皮膚に残ってしまう可能性がある。残ると皮膚炎が残るかも。


この2点が確かに怖いのですが、単純です。ダニと体が付着している根元、つまり頭を軽く挟んで抜けばいいのです図を書きましたので、参照してください。ただ、この根元を軽くつかむのにピンセットやとげぬきでやるのがいいです。あまりにも小さいので。

病院では私は鉗子を使ってしております。


いや!こんな抜き方じゃあ口器(触肢+口下片)がのこってるんじゃないの!?って思った方、ちゃんととれている証拠も載せておきます。顕微鏡撮影!





本日撮影、作画作成。今回のダニは1.2㎝です。コーヒー豆と同じサイズ。大きい方です。

小さいと1㎜切るので、ゴマ以下です。


ちなみにシャンプーごときでは死にません。水やぬるま湯にたとえ丸1日つけても死にません。実践済み。なぜに死なないのか、ダニの体に自分から出る油とかが付いており、それが水をはじいて溺死しないのでは?と仮説を立て、油をとるために表面活性剤を使って油をとってみました。油がとれテキメンに効いたのですが、ダニそのものは死にませんでした。

じっとしていることが多いので、酸素要求量がかなり低いのでしょう。


ちなみにダニにかまれてなる病気の方が圧倒的に怖いのですが、今回は割愛します。

閲覧数:3,912回0件のコメント

最新記事

すべて表示

日々診察をしていると飼い主さんは自分の飼っている動物の体型をとても気にされているなと思います。 『先生、うちの犬、トイプードルなんだけど、5kgもある!』とか、 『うちのダックス、散歩行ったら、道行く人に必ず太ってるね~って言われる』とか。 確かに肥満は昔に比べて多くなったんでしょうけど、私自身は少々気にしすぎというか、結構周りに振り回されているなと思います。 まず、うちの犬○○だけど、○○kgも

11月は診察時間変更が1つだけあります。 11月25日(土)午後の部が4:00~6:00までとなっております。研修会参加のためになります。 大変ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします。 最近、毎朝テレビをつけると熊のことばかり。恐ろしいですね。 当然私たち獣医も熊なんてどうすることもできません。けど、ちょっと考えてます。 動物の武器は爪と牙です。ほとんどの動物病院で扱うのは犬猫です。 犬と猫

10月になりました。暑さも和らぎました。朝起きて外に出たときにふっと空気の冷たさを感じます。 あれだけ嫌だった暑さですが、空気の冷たさは毎年さみしさを感じます。 当院も開院してだいぶたちました。病院も古くなってきましたし、患者さんも飼い主さんも私も年をとったなと感じます。 一番のおどろくことはお子さん連れの患者さん。 久々お子さんを見るといつも『えっ!?あの子がこんな大きくなったの?』と驚きます。

bottom of page