3月 暖かくなったり寒くなったりと徐々に春に近づいていることを感じます。
そしてその春は私にとっては憂鬱な季節です。毎年書いてる気もしますが、狂犬病の集合注射シーズンが4月から始まります。 もうこのことを考えると憂鬱です。
昔、狂犬病集合注射が大変だと尊敬する先輩獣医師に言ったら、社会貢献のためだ、私は頑張ってると言われ、さすが!と感心したのですが、先輩獣医師、その数年後にやめてしまいました。Why Japanese people?と叫びたくなりました。
私の憂鬱ポイントは大きく言うと2つ。
①危険と隣り合わせ。 たった一人で犬に「いちげき」を加えなくてはならない。獣医だから犬の性格を判断しないとだめなのですが、会って数秒で判断しないとだめですが、ほぼ分かりません。集合注射会場での犬の動きと犬の種類でおおむね判断。
山でのクマの注意点は「近寄らないようにしましょう」ですが、集合注射では自分から近寄らないとだめで、どんなに凶暴な犬、時に私よりも強い犬を相手に無防備で、武器もなく、そして相手をおこらせてしまう注射という「いちげき」を加えないといけません。 時に複数匹が襲ってくることもしばしば。一匹に注射しようとすると、なぜか横にいた犬が襲ってきたり。 そして噛まれることは許されません。 なぜならケガすると続々とやってくる犬たちに注射できなくなるからです。 血を流しなら打つわけにもいきませんし。
そして、どういうわけか飼い主さんが自分の犬に「噛んだれ!」とけしかける方もチョコチョコおられます。Why Japanese people?です。 多分、犬も痛い思いするから、獣医師のお前も痛い思いしろ!的なことを考えての言葉でしょうが。私は心の中で泣いてます。
逆に絶対に噛まなそうな犬を一生懸命押さえてくださる飼い主さん、私の心の中で泣いて「ユー!マザーテレサ!」と思ってます。
凶暴な犬を飼い主さんが制御できれば良いのですが、時代の流れで飼い主さんも高齢化で抑えることができず、凶暴大型犬、そして押さえようにも首輪がゆるくて今にも逃げ出しそう等、どうしようもないこともしばしば。 たまにyoutubeなどで集合注射の様子をアップされているチャンネルもあり、面白おかしく撮影されてますが、やる側としては『ライオンにキスしようとするパンイチ姿の出川哲郎さん』になった気分です。面白くするためにできない!とは言えないし、ミッションを成功させないとだめだし、怪我したら放送できなくなるし。まったくもって私らの集合注射とそっくり。 出川大先生、すごいです。
私の憂鬱ポイントその②島に渡るときに前日に島入りしないとだめな点。これが一番イヤ。
このせいで当院に通われている患者さんにご不便をおかけするのがなんとも。臨時休診になります。 当日に島に渡ればいいじゃん!と思うのですが、瀬戸内海はこの時期に朝霧がよく発生し、フェリーが欠航となるので前日に行け!という指令があるからです。
そんなわけで4月は臨時休診があります。
①4月6日(土)午前中休診 午後4時より診察
②4月11日(木)午前は通常診療、午後の診察4時から5時までの時間短縮診察。
③4月12日(金)午前中休診 午後4時より診察
④4月21日(日)臨時休診
②、③は島に参りますので、臨時対応も難しいです。大変ご迷惑をおかけしますが、宜しくお願いします。
Komentar